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バンコク便り

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第30回「再びタイが変わる日が来る? だが、すでに平穏には行かない予感」

国民に望まれて始まる総選挙

 2018年10月ごろ、タイ国内でネット配信されたラップが大ヒットになった。「RAP AGAINST DICTATORSHIP」というアーティスト集団が発表した「プラテート・グー・ミー」だ。直訳すると、「オレの国が持つもの」とか「オレの国にあるもの」といった意味だ。
 動画サイトで観ると、映像は1977年にAP通信のニール・ウールビッチがピューリッツァー賞を受賞した報道写真「バンコク路上の暴力(Strike Lifeless Body of Leftist Student)」の場面である、タイ国内の学生紛争をモチーフにしている。歌詞は完全に今の軍政を批判する内容だった。歌詞の一部には、政府が選挙をすると言いながら全然しないといった批判もある。
 タイは社会主義国家ではないことはご存知の通り。しかし、王室批判だけでなく、政府の批判や政策などへの反対などは許されていない。そのため、一部のタイ人はタイを「民主主義風の社会主義国」と呼ぶ。このラップがヒットしたときに騒動が起こるかと思いきや、政府側は特に問題ないという発表を出した。このヒット曲に関係した人物を誰ひとり逮捕することはないと明言したが、逆に言えば政府がどれだけこの曲を気にしていたかがわかる。
 そんな中、ついに選挙の日程が決まった。これは国王陛下の勅令があったためだ。2014年のクーデター当初から選挙をすると言いながら、実に民政移管までに5年も経ったわけだ。とはいえ、この5年間にもいろいろあった。前国王の崩御などもあったし、着地点のないタクシン派と保守派のやり合いに疲弊していたこともあり、2018年までは特に大きな批判もなかったこともあって、ズルズルと5年が経ったとも言える。
 これで国民の声が政治に投影されることになるかもしれない。しかし、だ。さすがというか、タイはおとなしく選挙が始まる国ではないことを改めて思い出させてくれた。

今は特に大きな変化はない
街中は今は特に大きな変化はない。

立候補者の看板は目立つようになった
立候補者の看板は目立つようになった。


タイ中が「どういうこと?」と驚いた2月8日

 立候補者たちの立て看板が久しぶりに街中に立てられ始めた2019年2月8日の午前中のことだ。おそらくタイ国民の大半が「え?」と大きな声をあげたと思う。少なくとも我が家では驚きの声が上がった。
 現国王の実姉にあたるウボンラット王女が選挙に立候補するというニュースが流れたのだ。
 なにが驚きかと言えば、これまで王室は反タクシン派と言われてきた。しかし、ウボンラット王女が立候補したのはタクシン派の政党「国家維持党」からだった。しかも首相候補で、だ。
 これまでの経緯が変わっていなければ、選挙はタクシン派が圧勝する。そして、高学歴、富裕層、インテリが多い保守派が、到底そうとは思えない手法で駄々をこねることになるだろう。これまで空港を封鎖したり、無意味に街中を占拠して経済活動を停滞させていたのは支持者に貧困層が多いタクシン派ではなく、金持ちが多い保守派だ。今回もきっとそうなることだろう。
 その流れを変えるためなのか、タクシン派は王族の人物を擁立した。これにはさすがにタイ人もみなビックリである。タクシン派はこれで安泰だと思ったことだろう。王族が首相になれば、保守派もそう簡単に手を出せない。
 しかし、普通に考えて反則もいいところだ。さすがにボクもこのタクシン派の手法は問題がありそうだといろいろなタイ人に言ってみたものの、タクシン派タイ人は「これは素晴らしい作戦だ」という意見ばかりだった。
 そして、立候補を宣言した同日の夜、国王陛下が「不適切だ」と述べられ、ウボンラット王女も出馬を断念。しかも、それだけでは終わらない。さすがに手法がひどいと言うことで、タクシン派の国家維持党を選挙管理員会が憲法裁判所に解党を申し立て、審議が始まってしまった。作戦が裏目に出て、タクシン派は選挙前に押さえ込まれる形になりつつある。あ~あ、というよりも「そうなるよね」という感想である。
 ただ、タイ人の政治家や富裕層は裏取引のテクニックや建て前と本音の使い方が非常にうまい。太平洋戦争では終戦当日まで日本と同盟にあったにも関わらず、ちゃっかり戦勝国に入っている国である。今回のこの騒動も、裏で誰かが動いていて、選挙前にタクシン派を潰しにかかっていたのではないかと思えて仕方がない。
 選挙は3月24日だ。今はまだ騒動の前の静けさなのか、王女の擁立以外には特に不穏な動きはあまり感じられない。だが、選挙直前になればなにかもめごとが起こることだろう。タクシン派が解党されれば、また大きな騒動が起こる可能性もあるし、結局は今となんら変わらないことになるかもしれない。
 市井のタイ人、特に大学生や若い社会人に話を聞くと、「変わらないでしょう」という意見と「タイは生まれ変わる!」という意見に割れる。ただ、変わるなら新しい政党が主導する国になれば、ということだった。かつてはタクシン派の赤色、保守派の黄色の派閥だけだったが、今はこれに軍政寄りの派閥も現れているのでややこしい。タイ人たちはそうではない、小さな新しい政党が上に立てばと思っているようだが、この3大勢力にかなう一匹狼的な政治家がいるのか疑問だ。
 というわけで、確実なのは選挙が終わってもそうタイに平穏は訪れないということである。

「バンコクシャットダウン」の様子
2013年の終わりから2014年のクーデター近くまで続いた「バンコクシャットダウン」の様子。

2014年1月のアソーク交差点の夜
2014年1月のアソーク交差点の夜。デモにより経済的打撃で自分の首を絞めているのにもかかわらず、コンサートを楽しむ人たちだ。

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  1. 2019/02/25(月) 17:11:54|
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第29回「今バンコクに来てはいけない!? PM2.5問題について」

せっかくの観光ハイシーズンを邪魔されているタイ

 日本のメディアでも取り上げられていてすでにご存知の方も多いと思うが、タイの大気汚染問題が悪化している。微小粒子状物質であるPM2.5によってバンコクなどの都市部の空気が悪く、健康被害を受けている人も出ている。
 タイが最も観光しやすいのは12月下旬から2月上旬だ。というのは、タイが乾期に入り、気温が下がるのがこの時期だからだ。年越しの前後にバンコクで20度前後とちょうどいい涼しさになり、1月に入ると暑くなる。ただ、1月下旬に中国の気候の影響なのか、ときどき気温が2月に入る時期に下がってくる。
 今、まさにそんな時期であり、実際、1月も終わりに入るころには気温が一気に下がってきた。そんな観光シーズンに入ったというのに、タイは大気汚染の問題を抱えてしまった。
 PM2.5がタイを覆っている事情はほかのメディアやブロガーが分析しているので難しい話はここでは省略するが、ボク自身が腑に落ちた説明は、中国のPM2.5が気流で流されてきていること。それに加えて、インドの方の汚れた空気も流れてきて、ちょうどタイでぶつかっているという内容だ。先の中国方面の寒波がタイに来て1月下旬に寒くなるという事実と合致するので、ボク自身は中国の影響なのではないかと考える。

シーナカリン通りの鉄道市場
シーナカリン通りの鉄道市場。この時期の夜間は涼しいので、ナイトマーケットが楽しい。


今一番のタイへの土産物はマスクかもしれない

 そんなタイのPM2.5問題だが、実際に大変なものなのだろうか。
 まず、ボク自身においてはなんら影響がない。住まいがバンコクではなく、隣にあるサムットプラカン県で、この辺りはひどいというほどの悪化は見られない。自宅からバンコク方面を見ると確かに汚れた靄のようなもので街全体が覆われているようには見える。しかし、我が家近辺はとりあえず大きな問題はない。
 とはいっても、この問題はバンコクだけでなく、タイ全土のものだという。北部チェンマイでも空気汚染が激しいそうだ。だから、たまたま我が家がこのような状態であって、もしかしたらサムットプラカン県でも他地域はひどい可能性はある。
 では、汚染のひどいバンコクではどうか。とりあえず現在はマスクが流行している。かつてタイでも鳥インフルエンザやいろいろな病原菌などの流行があったが、それでもマスクをする人が少なかったものの、今は本当にマスクをする人が増えた。
 これは本当に危険な状態であることを示す一方で、現代的な事情もあるかと思われる。まず、前者でいえば、実際にボクの友人らも何人かPM2.5のせいでのどが痛くなったなどの症状が出ていると言っている。冗談ではないレベルでPM2.5の汚染は進んでいる。だからこそ、実際にマスクが流行しているのだろう。
 もう一方の事情は、タイでもスマートフォンの普及が進んだ結果なのではないかと考えられることだ。特にフェイスブックの利用率は日本よりも高いので、そういったSNSから情報を入手して、マスクをつけることが一種の流行になっているのではないか。路上では便乗商売も始まっている。マスクをばら売りするのだが、紙のマスクをパッケージから出して売っており、そのマスク自体の衛生面に疑いを持ってしまう。しかし、それでも買い求める人は多く、見ているとあっという間に売り切れていた。
 だから、タイ人になにか土産を持ってくるなら、今はマスクが最も喜ばれるかもしれない。

2018年12月に開通したBTSスクムビット線の延伸先
2018年12月に開通したBTSスクムビット線の延伸先。1月下旬に行くと確かに空の色が悪いような気もする。


学校が400校も休校になっている!

 あまりの汚染度のひどさにより、政府は1月31日から2月3日まで学校の休校を指示した。今まさにこの記事を書いているのが1月31日である。このお達しは30日の午前中に出され、タイメディアも一斉にこれを報じた。保護者各位には学校側からすぐに連絡が入り、ボク自身もメディアを見る前に妻から話は聞いている。
 これによって、我が家の子どもたちも学校に行かずに済み、大喜びだ。ただ、タイは2月末に学年が終わることが一般的なので、この時期に期末テストに向けた追い込みがあるはずで、進学クラスの子どもたちにはいい迷惑だろう。
 こういった報道が日本でも流れていることから、タイ旅行をキャンセルするべきかで迷う人も少なくないはずだ。もし旅程がバンコクだけなら健康管理には気をつけるべきではある。ただ、旅行を中止するほどではないとボクは思う(執筆時点において)。実際に健康被害を訴える人もいるが、バンコクにいるすべての人というわけではない。だから、例えばBTS(高架電車)を利用して、巡る先も商業施設内だけにすれば、おそらく大きな影響はない。
 また、先日は東北地方に足を運んでみたが、その辺りも我が家同様に大気汚染を実感するような雰囲気はなかった。それを踏まえれば、バンコクの郊外や他県を巡るようにすれば、おそらくPM2.5の悪影響を受けることはないだろう、とボクは推測する。

1月12日ごろはまだPM2.5は特に大きな問題になっていなかった
1月12日はタイのこどもの日だったが、このころはまだPM2.5は特に大きな問題になっていなかった。

バンコクの隅っこ
バンコクの隅っこ。この辺りはPM2.5がウソのように空はきれいだ。

  1. 2019/02/18(月) 14:37:51|
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プロフィール

bangkokdayori

Author:bangkokdayori
●プロフィール
高田胤臣(たかだ たねおみ)
タイ在住ライター
報徳堂ボランティア隊ホアイクワン005

1977年東京生まれ
1998年初訪タイ。その後旅行で何度かタイを訪れ、2000年から1年間、ユニオン・ランゲージスクールに語学留学
2002年9月からバンコク在住
2004年11月から華僑報徳善堂にボランティア隊員として参加
2011年2月に彩図社より「バンコク 裏の歩き方』(皿井タレー共著)、2012年8月に同社より「東南アジア 裏の歩き方」を出版
現在はバンコクに編集部がある月刊総合誌「Gダイアリー」に複数の連載やほぼ毎月特集記事を、ウェブサイト「日刊SPA!」やバンコクの無料誌「DACO」にて不定期で執筆中

http://nature-neneam.boo.jp/

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