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バンコク便り

第29回「今バンコクに来てはいけない!? PM2.5問題について」

せっかくの観光ハイシーズンを邪魔されているタイ

 日本のメディアでも取り上げられていてすでにご存知の方も多いと思うが、タイの大気汚染問題が悪化している。微小粒子状物質であるPM2.5によってバンコクなどの都市部の空気が悪く、健康被害を受けている人も出ている。
 タイが最も観光しやすいのは12月下旬から2月上旬だ。というのは、タイが乾期に入り、気温が下がるのがこの時期だからだ。年越しの前後にバンコクで20度前後とちょうどいい涼しさになり、1月に入ると暑くなる。ただ、1月下旬に中国の気候の影響なのか、ときどき気温が2月に入る時期に下がってくる。
 今、まさにそんな時期であり、実際、1月も終わりに入るころには気温が一気に下がってきた。そんな観光シーズンに入ったというのに、タイは大気汚染の問題を抱えてしまった。
 PM2.5がタイを覆っている事情はほかのメディアやブロガーが分析しているので難しい話はここでは省略するが、ボク自身が腑に落ちた説明は、中国のPM2.5が気流で流されてきていること。それに加えて、インドの方の汚れた空気も流れてきて、ちょうどタイでぶつかっているという内容だ。先の中国方面の寒波がタイに来て1月下旬に寒くなるという事実と合致するので、ボク自身は中国の影響なのではないかと考える。

シーナカリン通りの鉄道市場
シーナカリン通りの鉄道市場。この時期の夜間は涼しいので、ナイトマーケットが楽しい。


今一番のタイへの土産物はマスクかもしれない

 そんなタイのPM2.5問題だが、実際に大変なものなのだろうか。
 まず、ボク自身においてはなんら影響がない。住まいがバンコクではなく、隣にあるサムットプラカン県で、この辺りはひどいというほどの悪化は見られない。自宅からバンコク方面を見ると確かに汚れた靄のようなもので街全体が覆われているようには見える。しかし、我が家近辺はとりあえず大きな問題はない。
 とはいっても、この問題はバンコクだけでなく、タイ全土のものだという。北部チェンマイでも空気汚染が激しいそうだ。だから、たまたま我が家がこのような状態であって、もしかしたらサムットプラカン県でも他地域はひどい可能性はある。
 では、汚染のひどいバンコクではどうか。とりあえず現在はマスクが流行している。かつてタイでも鳥インフルエンザやいろいろな病原菌などの流行があったが、それでもマスクをする人が少なかったものの、今は本当にマスクをする人が増えた。
 これは本当に危険な状態であることを示す一方で、現代的な事情もあるかと思われる。まず、前者でいえば、実際にボクの友人らも何人かPM2.5のせいでのどが痛くなったなどの症状が出ていると言っている。冗談ではないレベルでPM2.5の汚染は進んでいる。だからこそ、実際にマスクが流行しているのだろう。
 もう一方の事情は、タイでもスマートフォンの普及が進んだ結果なのではないかと考えられることだ。特にフェイスブックの利用率は日本よりも高いので、そういったSNSから情報を入手して、マスクをつけることが一種の流行になっているのではないか。路上では便乗商売も始まっている。マスクをばら売りするのだが、紙のマスクをパッケージから出して売っており、そのマスク自体の衛生面に疑いを持ってしまう。しかし、それでも買い求める人は多く、見ているとあっという間に売り切れていた。
 だから、タイ人になにか土産を持ってくるなら、今はマスクが最も喜ばれるかもしれない。

2018年12月に開通したBTSスクムビット線の延伸先
2018年12月に開通したBTSスクムビット線の延伸先。1月下旬に行くと確かに空の色が悪いような気もする。


学校が400校も休校になっている!

 あまりの汚染度のひどさにより、政府は1月31日から2月3日まで学校の休校を指示した。今まさにこの記事を書いているのが1月31日である。このお達しは30日の午前中に出され、タイメディアも一斉にこれを報じた。保護者各位には学校側からすぐに連絡が入り、ボク自身もメディアを見る前に妻から話は聞いている。
 これによって、我が家の子どもたちも学校に行かずに済み、大喜びだ。ただ、タイは2月末に学年が終わることが一般的なので、この時期に期末テストに向けた追い込みがあるはずで、進学クラスの子どもたちにはいい迷惑だろう。
 こういった報道が日本でも流れていることから、タイ旅行をキャンセルするべきかで迷う人も少なくないはずだ。もし旅程がバンコクだけなら健康管理には気をつけるべきではある。ただ、旅行を中止するほどではないとボクは思う(執筆時点において)。実際に健康被害を訴える人もいるが、バンコクにいるすべての人というわけではない。だから、例えばBTS(高架電車)を利用して、巡る先も商業施設内だけにすれば、おそらく大きな影響はない。
 また、先日は東北地方に足を運んでみたが、その辺りも我が家同様に大気汚染を実感するような雰囲気はなかった。それを踏まえれば、バンコクの郊外や他県を巡るようにすれば、おそらくPM2.5の悪影響を受けることはないだろう、とボクは推測する。

1月12日ごろはまだPM2.5は特に大きな問題になっていなかった
1月12日はタイのこどもの日だったが、このころはまだPM2.5は特に大きな問題になっていなかった。

バンコクの隅っこ
バンコクの隅っこ。この辺りはPM2.5がウソのように空はきれいだ。

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  1. 2019/02/18(月) 14:37:51|
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プロフィール

bangkokdayori

Author:bangkokdayori
●プロフィール
高田胤臣(たかだ たねおみ)
タイ在住ライター
報徳堂ボランティア隊ホアイクワン005

1977年東京生まれ
1998年初訪タイ。その後旅行で何度かタイを訪れ、2000年から1年間、ユニオン・ランゲージスクールに語学留学
2002年9月からバンコク在住
2004年11月から華僑報徳善堂にボランティア隊員として参加
2011年2月に彩図社より「バンコク 裏の歩き方』(皿井タレー共著)、2012年8月に同社より「東南アジア 裏の歩き方」を出版
現在はバンコクに編集部がある月刊総合誌「Gダイアリー」に複数の連載やほぼ毎月特集記事を、ウェブサイト「日刊SPA!」やバンコクの無料誌「DACO」にて不定期で執筆中

http://nature-neneam.boo.jp/

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