バンコク便り

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第3回 「華僑報徳善堂の本部隊員 後編」

隊員内でも人気が高いレスキュー

 レスキューというからにはやはり人命救助こそが花形だ。報徳堂では水色のユニフォームを着た隊員がそれに当たる。華僑崇聖大学の学生や医学生が実習で同乗する際も色合いやデザインがやや異なる水色のユニフォームを着るので間違いやすいが。

水色のユニフォーム
水色のユニフォーム。警察病院の司法解剖室前にて

 彼らは応急措置の訓練はもちろん、潜水、消火活動、ロープワークなどあらゆる訓練を受けている。
 報徳堂には特別救護車という特殊機材を積んだ車があり、防火服や酸素ボンベも搭載している。これらを身につけ、火災現場や水難現場に飛び込んでいくこともある。タイにも消防署は存在するがこちらもボランティアに頼っているので、報徳堂など慈善団体の隊員が活躍する場面も多い。

報徳堂の特別救護車
報徳堂の特別救護車

特別救護車の装備1
特別救護車の装備1

特別救護車の装備2
特別救護車の装備2

 2001年ごろにナコンラチャシマー県(コラート)のパクチョン郡にある陸軍基地の弾薬庫が炎上し、市内まで爆音が聞こえるほどの大火災が発生したことがある。その際も地元レスキューを支援する形で報徳堂本部の隊員が何名か駆けつけた。その現場に行った人と話をしたことがあるが、やっぱり彼の25年以上のキャリアでもなかなか印象的な現場だったようである。感想を聞くと、
「恐かったなあ」
 の一言だった。燃える弾薬庫に突入する勇気はプロの証だ。


潜水もプロ並みでないといけない

 レスキュー部門の隊員に潜水について訊いてみた。転落や溺死などはドブ川でも起こる。
「タイの河川は透明度が低いので潜水してもなにも見えないから恐い」
 誰が書いていたか記憶が曖昧なのだが「死体は見えないから恐い」という記事を読んだことがある。墓場や夜静まった通夜のあとの会場は死体の姿が見えないからそこになにかが存在しているのではないかと想像することで恐くなるのだという。
 そういえば、1990年代はシリラート病院解剖学資料室、別名『死体博物館』は当時の医学生の実習棟の上にあった。最上階にあって、その下の階は医学生の解剖実習室だった。夕方だと誰もいないので、乾燥を防ぐ袋に入れられた献体が静かに並んでいて不気味だった。上の資料室はもっと広く大量に奇形児や神経系のホルマリン漬けがずらりと並んでいるのに、たったひとりでいても怖くもなんともない。やはり見えないから恐いのだ。
 よくタイ人に「レスキューをやっていてピー(お化け)は恐くないのか」と訊かれる。死体は見えないから恐いが、霊は見えたら恐い。いつも返答に困ってしまう。ただ、ひとつ言えるのは、霊よりも生きている人間の方が恐い。僕自身も何件か殺人事件や傷害事件の現場に急行している。その際にいつも感じるのは人間の悪意は計り知れぬものがあって恐いということだ。
 報徳堂の隊員たちは日夜、そんな人間のどろどろした部分も垣間見ながら任務を遂行している。

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  1. 2014/09/01(月) 12:59:35|
  2. 報徳堂
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プロフィール

bangkokdayori

Author:bangkokdayori
●プロフィール
高田胤臣(たかだ たねおみ)
タイ在住ライター
報徳堂ボランティア隊ホアイクワン005

1977年東京生まれ
1998年初訪タイ。その後旅行で何度かタイを訪れ、2000年から1年間、ユニオン・ランゲージスクールに語学留学
2002年9月からバンコク在住
2004年11月から華僑報徳善堂にボランティア隊員として参加
2011年2月に彩図社より「バンコク 裏の歩き方』(皿井タレー共著)、2012年8月に同社より「東南アジア 裏の歩き方」を出版
現在はバンコクに編集部がある月刊総合誌「Gダイアリー」に複数の連載やほぼ毎月特集記事を、ウェブサイト「日刊SPA!」やバンコクの無料誌「DACO」にて不定期で執筆中

http://nature-neneam.boo.jp/

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