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バンコク便り

第31回「国王の戴冠式と王妃の誕生日と国民の一般生活」

タイの時代も変わっていく

 日本の時代が変わったのと同じタイミングで、タイもまた歴史が変わった。2016年10月にラマ9世前国王が崩御し、その時点ですでにラマ10世王が即位されていたけれども、前国王の人気と喪に服していたこともあり、先日5月5日から3日かけて戴冠式が行われ、タイの国王は完全に代替わりしたことになる。
 タイ国内にはまだ前国王の肖像画などを飾る人もいるが、公共の施設などは現国王の肖像を飾っている。元々現国王は皇太子のときから主にドイツで暮らしておられたので、これまでの歴代のタイ国王とは違った形でタイに関わっていくと言われている。ラマ9世王はタイ国内を頻繁に訪問されていたので、かつてないほど国民に近い存在だった。一方で、ラマ10世王は先日の戴冠式が国民にその姿を見せる数少ない機会になるかもしれないというのだ。
 とはいえ、タイは今のところ大きな変化はない。日本のように時代が変わることでいろいろな変更があるわけではなく、王朝の名称も変わらないし、これまで通り仏歴を使うので、書類や免許証などにおいて混乱は一切なかった。
 僕個人の話で言えば、タイ生活がいよいよ日本よりも長くなりそうなので、かなり前から平成が何年なのかすらわからなくなっていた。初めてのタイが1998年1月なので21歳になる年に来た。今年で42歳なので、物心つく年代を差し引くと、最早人生においてタイとの関わりの方が長い。
 同時に、僕の生まれた年の1977年は仏歴では2520年できりのいい数字であるため、西暦と同じくらいに馴染んでいる。タイ人も公的な書類はもちろん、ネット上、一般生活でも西暦より仏歴を使う。だから、なおさら仏歴の方がわかりやすい。

渋滞さえなければ、東京よりも移動しやすい
バンコクは渋滞さえなければ、東京よりも移動がしやすいのだが。

庶民の生活に大きな変化はない
時代が大きく動き続けるタイだが、庶民の生活に大きな変化はない。


王妃の誕生日が祝日になった

 先月に戴冠式が行われ、今月6月3日は再び王室関係の祝日が急遽設けられた。ラマ10世国王の妻、つまり王妃の誕生日だったからだ。王妃とは戴冠式の直前、5月1日に正式に結婚式が行われ、また同月18日にこのスティダー王妃の正式な肖像が発表された。6月に入る直前にそれらの写真を使った祭壇が街中に作られ、タイ全土で誕生日を祝うイベントが開催された。これまではラマ9世王の誕生日を父の日(12月5日)、王妃の誕生日を母の日(8月12日)としていたが、今後はこれらも変わるかもしれない。
 タイ、あるいはタイ人は臨機応変というか行動力がある、とこういうときに思う。3日の祝日もかなり以前から言われていたわけではなく、半月前の5月14日に急に閣議決定された。
 学校も多くの企業も休みになったようだが、こういった時世である、みんな困らなかったのだろうか。祭壇も各所に素早く設置され、3日の18時ごろにはタイ警察の本部前に白い制服を着た警察幹部たちがたくさん並んで肖像画に向かって祝いの儀式もしていた。わずか半月で国中が祝賀ムードになるのは、タイ人の団結力なのかと思う。

ラマ10世王の肖像画
寺院の中にあったラマ10世王の肖像画。

新王妃の祭壇
セントラルデパートの前に作られた新王妃の祭壇。


タイの学校は休みが多いような

 学校に通う子どもたちはやっぱり休みが多い方がうれしいので、さぞ楽しんでいたことだろう。特に今年の6月3日は月曜日だったので、3連休になった。これにより、郊外に遊びに出かけた人もいるのか、バンコクの渋滞もかなり緩和された。
 タイの学校(小中高)は3月から5月上旬までが学年の変わり目であり、夏休みになる。学校によって始業・終業の時期は違うのだが、僕の子どもたちが通うタイ人向けの私立学校は、今年は5月16日から始まっている。これが木曜日だったので、わずか2日ほど通い、すぐに土日は休み。土曜日の18日は仏誕節(ウィサカブーチャー)で翌月曜日が振替休日の3連休だった。それなら21日から始業にすればいいのにと思うのだが、毎年カリキュラムの遅延のために終業が遅れるからか、スタートだけは早めにしたのかもしれない。
 こういった元々ある国の休みのほかに、うちの学校では先生のための休日があったり、いろいろな事情で休校になることが多々ある。しかも、それが早ければ1週間前、最悪前々日くらいに発表されるので、話が急だ。おそらく他校でも似たような状況なのではないか。
 そう考えると、急に休みと言われてもタイ人がすぐに対応できるのは、ある意味、タイの教育の賜なのかなと思う。

学校の前にも国王の肖像画が
学校の前にも国王の肖像画があった。

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  1. 2019/06/07(金) 15:11:33|
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プロフィール

bangkokdayori

Author:bangkokdayori
●プロフィール
高田胤臣(たかだ たねおみ)
タイ在住ライター
報徳堂ボランティア隊ホアイクワン005

1977年東京生まれ
1998年初訪タイ。その後旅行で何度かタイを訪れ、2000年から1年間、ユニオン・ランゲージスクールに語学留学
2002年9月からバンコク在住
2004年11月から華僑報徳善堂にボランティア隊員として参加
2011年2月に彩図社より「バンコク 裏の歩き方』(皿井タレー共著)、2012年8月に同社より「東南アジア 裏の歩き方」を出版
現在はバンコクに編集部がある月刊総合誌「Gダイアリー」に複数の連載やほぼ毎月特集記事を、ウェブサイト「日刊SPA!」やバンコクの無料誌「DACO」にて不定期で執筆中

http://nature-neneam.boo.jp/

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